2018/03/20 雛街道

最近、この手の蛍光灯は見なくなったな。
昔の実家の4畳半にはこの手のヤツがあった。
幼い時は真っ黒の天井に白く艶かしく光るこいつがなぜだか怖かった。
この光に照らされて浮かび上がる陰影が怖かったのだろうか。
昔の家は生きていた。
人が手をかける分、時を刻む分、何かが宿った。
そいつが長い影を纏いこの光に照あぶり出される。
恐れ、があった。
昔は怖いものがいっぱいあった。
今は満遍なく照らす眩しい光によって影さえもが明かされる。
よって恐れを知らぬ者が増えたように思う。
そのことが何よりも怖いように思う。
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